サイズの表記は左図と照らし合わせると分かりやすい。
Tip width は先端の幅、Mid width(又はCenter width)は中央の最も幅の広い部分のことだ。Width としか書いていない場合はMid width を示している。大抵のボードは前後が対象の為、テール部の幅もTip width と同じと考えてよい。
Length はボードの長さを表すが先端から先端の長さを表記しているだけなので、有効エッジも同じ長さとは限らない。
例えば、長さが140pだとしても、有効エッジは135pというボードもあり、実寸より長さを感じにくいボードも多数存在する。
一般的にはLengthが長いと浮力が増し、短いと浮力が減少する。つまり、体重のある人は長いボードで体重の少ない人は短いボードが適しているということだ。


 


ロッカーとはボード全体の“反り”のことだ。
ロッカーが少ないと走りの良いボードになり、ロッカーがキツいとアタリの強いボードになる。
つまり、ロッカーの少ないボードは加速性能を重視するライダーに向き、ロッカーのキツいボードはアタリ重視のライダーに向く。
また、ロッカーはボードデザインによってもスタイルが異なる。全体的に反っているデザインをコンティニアスロッカーと呼び、ティップとテールに強いロッカーを持つタイプをスリーステージロッカーと呼ぶ。
しかし、最近では緩やかなスリーステージロッカーやティップとテールのロッカーがキツい コンティニアスロッカーなどもあり、明確な違いが分からなくなってきている。



 嘗てはボードを買うと初心者でもフィンを交換するのが極普通の出来事だった。
なぜなら、ボードに付属するフィンは安価の木製で、やたらと大きくバランスが悪かったからだ。
しかし今日の付属フィンは材質も良くなり、ボード全体のバランスも良く考えて設計されている。特にサイドフィンとの相性は初心者にチューニングの余地を与えるものではない。
フィンレスを楽しむ為にセンターフィンを外してみるのは面白い事だが、フィンを交換することは考えない方が良いだろう。



 ラウンドタイプは有効エッジが短く、スクエアタイプは有効エッジが長いとされていたが、デザインの多様化で嘗てのような単純な線引きができなくなった。
現在ではノーズやテールの形状に意味を持つボードは少なく、コンケーブやチャンネル、エッジをデザイン的に美しく処理した物がノーズやテールの形状だと考えた方が良いだろう。
ノーズやテールの形状にはボードデザイナーのセンスが集約され、個性的なデザインの物もあるが際物っぽいボードには手を出さない方が無難である。



 

 ウェイクボードの底面は平らではない。コンケーブと呼ばれる凹凸とチャンネルと呼ばれる縦溝、センターフィンにモールドフィン。以前Scott Bouchard がデザインしたボードのボトムは段々畑のようだった。
ボトムデザインは直進安定性を良くしたり、着水安定性を向上させる為にデザインされているが、ボード全体のバランスを補う程度の物であり、今日のボードにScott Bouchard がデザインしたようなボトムは殆ど見られない。
最近は浅いチャンネル、薄く長いセンターフィンにモールドフィン(又はサイドフィン)が主流になっているようだ。


 レールとエッジは切っても切り離せない関係にある。刀に例えるなら刃縁と刃先の関係だ。
かえって分かりにくくなってしまったかもしれないが、エッジングしたときボードを沈めやすくするのがレールの働きだと思えばいい。
以前はBeveled Edge と呼ばれる角の立ったエッジにシャープなレールが主流の時期もあったが、ボードを沈める為には強い脚力が必要で理想的なエッジとは言えなかった。
そこでBeveled Edge に変わって登場したのがTurnd-Down Edge だ。
Turnd-Down Edgeと はコンケーブのデザインと共にボトムへ反り返ったように見えるエッジのことだ。
Turnd-Down Edgeは水面に深く切り込み、コンケーブまでボードを沈める事ができるので、カッティング性能に優れ、ウェイキのエネルギーを最大限に利用できる。
以前は初心者には向かないと言われていたが、バランスの良いボードなら寧ろTurnd-Down Edgeの方が扱いやすい。

 
 
 
 
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